vol.08 流 麻二果:再縫(さいほう)〜 南三陸町(宮城県)の小学校にて「Heart on Coin “絆”プロジェクト:絆フェスティバル ひなまつり」〜
2012.03.03
- 【実施日】
- 2012年3月3日(土) 13:00〜15:00
- 【参加者】
- 南三陸ひなまつり参加者(歌津中学校、名足小学校、伊里前小学校の児童約20名)
- 【場 所】
- 宮城県本吉郡南三陸町伊里前小学校体育館
- 【主 催】
- 国際協力アカデミーひろしま
- 【企画・運営】
- 南三陸ひなまつり:関西学院大学、Heart on Coin“絆”プロジェクト、ワークショップ:一時画伯推進委員会
- 【協 力】
- 赤い羽共同募金、西宮市教育委員会、ワークショップ:宮城大学、学習院女子大学
- 【趣 旨】
- ハギレを使って自由に工作する子供たちの表情をアーティストが描きます。それらが全部一つになって、大きなタペストリーに!様々な国や地域で、各家庭で不要となった布を集め、参加者に自由に創作してもらいます。その作品に、アーティスト流 麻二果が描く参加者の表情をとらえたドローイングを加えます。そうすることで、参加者の個性の表現が強まり、それらが一つになる意義も強まる−−。まるで地図を描くように、人と人との繋がりがうまれることでしょう。 その場所で集まった布は、残りが次回のワークショップへと加えられます。布が旅をし、世界を混ぜていくのです。
- 【手 順】
- STEP.1 集まった布でこどもたちが自由に遊ぶ (切る、裂く、縫う、結ぶ、針が使えない年齢のお子さんはボンドやホッチキスで留める。)
STEP.2 その間にアーティスト(流麻二果)が参加している子どもたちの顔をアクリル絵具で布に描き、それぞれに手渡す。
STEP.3 された子どもたちはその肖像と自分が創った部分を組み合わせて完成させる。
STEP.4 衝立パネルや掲示板などに、画鋲で完成したものを貼りつけていく。 →子どもたちの顔と飾りでいっぱいになる。
STEP.5 WSで完成した各人のパーツを持ち帰り、東京で一つに繋げ、タペストリーのよう完成させる。
3月末に開催されるアートフェア東京で展示、子どもたちの創作を多くの人にお披露目する。
- 【担当アーティスト】
- 流 麻二果(ながれ まにか)
1975年生まれ、女子美術大学芸術学部絵画科洋画専攻卒業。
若手作家の登竜門「VOCA 2000」への出品を皮切りに、「文化庁新進芸術家在外研修員(NY滞在)、2004年ポーラ美術振興財団在外研修員(NY・トルコ滞在)などを経て、2006年「VOCA 2006」、「POLA新鋭展」、2008年「損保ジャパン美術財団選抜奨励展」等の出展作家に選ばれる。2010年12月、新国立美術館開催の「DOMANI・明日展2010」に出展。現在、油彩作品の発表をベースに、他ジャンルの人たちとのコラボレーション制作やワークショップを行うなど多方面に活躍中。「一時画伯」発起人。
・流麻二果HP:http://www.manikanagare.com
【REPORT】vol.08 流 麻二果:再縫 〜 南三陸町(宮城県)の小学校にて「Heart on Coin “絆”プロジェクト:絆フェスティバル ひなまつり」 〜
2012.05.23
written by 流 麻二果
3月3日、南三陸の伊里前小学校にて開催された「絆フェスティバルひなまつり」に参加しました。
昨年12月に多賀城小学校での冬のふれあい事業に一時画伯ワークショップvol.07「流 麻二果:つむごう」で参加させて頂いて以来の、関西学院大学のHeart on Coin“絆”プロジェクトへの参加です。
今回はHeart on Coin“絆”プロジェクトが学習支援で一週間滞在した締めくくり、会場の伊里前小学校だけでなく歌津中学校と名足伊里前小学校にもお声がけしてのイベントとなりました。
一時画伯が南三陸でワークショップを開催させて頂くのは初めてです!
会場ではHeart on Coin“絆”プロジェクトによる遊びや、ひなまつりらしいロールケーキやお汁粉の炊き出しが行われ、一時画伯は二つのワークショップ「流 麻二果:再縫」と「山上 渡:魔法の石の物語」を行いました。
まずは流 麻二果の「再縫(さいほう)」。
1999年、トルコにも大きな地震がありました。その被災者支援として流が現地で行ったワークショップが「再縫」、それからトルコでも複数回、NYや日本各地でも10年間続くプログラムです。
旧フランス大使館での展覧会「NO MAN’S LAND」での出展をご記憶の方もおられるのではないでしょうか。
今回、東北での初めての「再縫」!
各地のワークショップで集まった不要なハギレの山、世界中の布、着物、ポケモンの布、などなど沢山!
この山から好きな布をとって、自由に工作します。 切っても、割いても、縫っても、結んでも、ボンドやホッチキスで留めてもOK!
どんな組み合わせにしようかなー。
その間に、流がみなさんの顔をササッと描いていきます。 それも作品の一部に!
自分のポートレイトを渡された時の子どもたちの顔、恥ずかしいような嬉しいような、なんともいえない素敵なはにかみ顔でした。
布を使って自由に工作していいなんて、やった事ないからどうしていいかわからないと思った最初も、だんだん布の山を崩してお気に入りの布を見つけたり、布の柔らかさに触れているうちに制作のイメージが湧いたようです。
小学校低学年のお子さんにはボンドやホッチキスの使用をすすめていましたが、「糸と針でやりたい!」という声が多くて、
関西学院大学や宮城大学、学習院女子大学のおにいさん・おねえさんに手伝ってもらって力作を縫いあげた子も!
そんなみんなの顔が、作品が、一つになります。
いったん東京に戻って全部を一つに縫い上げて完成した「再縫」は、アートフェア東京2012の一時画伯ブースでお披露目しました。
南三陸の子どもたちの創造が、多くの来場者の目に触れました。みんなの顔はどんな風に映ったのでしょうか。
●今回のWSの写真・完成作品は、さらにfacebookでも公開中!➡コチラ
●この日の様子は山上 渡「魔法の石の物語」レポートに続きます!